あなたはどれ?膝の痛みに合わせたテーピングの種類と効果的な巻き方

膝の痛みに悩んでいませんか?テーピングは、痛みの軽減や関節の安定、筋肉のサポートに役立つ有効な手段です。しかし、テーピングには様々な種類があり、それぞれ特徴や効果が異なります。この記事では、あなたの膝の痛みに合わせたテーピングの種類と、症状別の効果的な巻き方を詳しく解説します。適切なテーピングを選ぶことで、膝の痛みを和らげ、活動的な毎日をサポートできるようになります。

1. 膝の痛み テーピングはなぜ効果的なのか

1.1 膝の痛みにテーピングがもたらす効果

膝の痛みは、日常生活やスポーツ活動に大きな影響を与えることがあります。このような時、テーピングは膝を安定させ、痛みを和らげるための有効な手段となります。

テーピングは、膝関節の動きを適切に制限したり、筋肉や靭帯の働きをサポートしたりすることで、膝にかかる過度な負担を軽減します。これにより、炎症の発生を抑えたり、すでに生じている炎症の悪化を防いだりする効果が期待できます。

また、テーピングをすることで、膝の不安定感が減り、安心して動けるようになるため、活動的な生活を取り戻すことにもつながります。適切なテーピングは、痛みの悪循環を断ち切り、膝の回復を促す手助けとなるでしょう。

1.2 テーピングで得られる3つのメリット

膝の痛みにテーピングを使用することで、主に次の3つの大きなメリットが得られます。

メリット 具体的な効果
膝の安定性を高める テーピングは、膝関節のぐらつきを抑え、不必要な動きを制限することで、膝を物理的に安定させます。これにより、膝にかかる負担が均等になり、痛みの原因となる不自然な動きを減らすことができます。特に、不安定感を伴う膝の痛みに対して、大きな安心感をもたらします。
痛みを軽減し、動きをサポートする テーピングは、患部への圧迫やサポートを通じて、痛みの感覚を和らげる効果があります。また、特定の筋肉や靭帯の動きを補助することで、膝のスムーズな動作を促し、痛みを伴う動作を改善します。これにより、日常生活やスポーツ時のパフォーマンス向上にもつながります。
怪我の予防と再発防止に役立つ 適切なテーピングは、スポーツ活動中や日常生活での過度な負荷から膝を守ります。これにより、新たな怪我の発生を防ぐだけでなく、過去に痛めた膝の再発を防止する効果も期待できます。膝をサポートすることで、安心して活動に取り組むことができるようになります。

2. 膝の痛みに使うテーピングの種類を徹底解説

膝の痛みに対応するテーピングには、様々な種類があります。それぞれのテープには異なる特徴があり、痛みの種類や状況に合わせて最適なものを選ぶことが大切です。ここでは、主要なテーピングの種類とその特性、そしてどのような膝の痛みに適しているのかを詳しくご紹介します。

2.1 キネシオロジーテープ 筋肉をサポートする伸縮性テープ

2.1.1 キネシオロジーテープの特徴と効果

キネシオロジーテープは、皮膚に近い伸縮性を持つテープです。その特徴は、筋肉の動きを妨げずにサポートし、血行促進や痛みの軽減に役立つ点にあります。また、関節の動きをガイドし、自然な回復力を高める効果も期待できます。肌に優しく、長時間貼っていても違和感が少ないため、日常生活やスポーツ活動中に幅広く利用されています。

2.1.2 キネシオロジーテープが適した膝の痛み

このテープは、筋肉の疲労や軽い張り、運動時の膝の違和感など、比較的小さな痛みや予防に適しています。膝周辺の筋肉のサポートや、関節の負担軽減を目的とする場合に有効です。スポーツ後のケアや、長時間の歩行による膝の重だるさにも活用できます。

2.2 ホワイトテープ 強力に固定する非伸縮性テープ

2.2.1 ホワイトテープの特徴と効果

ホワイトテープは、伸びない素材でできており、関節の動きを強力に制限し固定することが最大の特徴です。不安定な関節を安定させ、過度な動きを防ぐことで、損傷部位の保護や再発防止に効果を発揮します。強い固定力が必要な状況で選ばれることが多いです。

2.2.2 ホワイトテープが適した膝の痛み

捻挫や靭帯損傷の疑いがある場合、または関節の不安定性が顕著な場合に用いられます。膝の特定の動きを完全に制限したいときや、急性の痛みで関節を安静に保ちたい場合に有効です。スポーツ中の激しい動きによる再損傷を防ぐ目的でも使用されます。

2.3 伸縮性固定テープ 適度な固定とサポートを両立

2.3.1 伸縮性固定テープの特徴と効果

伸縮性固定テープは、キネシオロジーテープほどの伸縮性はありませんが、ホワイトテープよりも柔軟性があります。このテープは、適度な圧迫とサポートを提供し、関節の安定を図りながらも、ある程度の動きを許容します。通気性や粘着性にも優れており、動きの多い部位にも適しています。

2.3.2 伸縮性固定テープが適した膝の痛み

軽度から中程度の痛みや、スポーツ中の予防的なサポートに適しています。日常生活での膝の負担軽減や、キネシオロジーテープでは物足りないが、ホワイトテープでは固定しすぎると感じる場合に選ばれることが多いです。膝の関節を広範囲にサポートしたいときにも有効です。

2.4 その他のテーピング 目的別テープの種類

上記で紹介した主要なテーピングの他にも、特定の目的や状況に特化したテープが存在します。それぞれの特性を理解し、ご自身のニーズに合ったテープを選ぶことが、膝の痛みのケアにおいて重要です。

種類 特徴 適した用途
自着性テープ テープ自体がくっつき、皮膚や衣類に粘着剤が残りにくいのが特徴です。伸縮性があり、適度な圧迫が可能です。 テーピングの重ね巻きや、粘着剤による肌トラブルを避けたい場合に適しています。関節の保護や軽い圧迫に利用されます。
撥水性・防水性テープ 水や汗に強く、剥がれにくい加工が施されています。 水泳やシャワー、多量の汗をかくスポーツ時など、水濡れが予想される状況での使用に適しています。
低アレルギー性テープ 肌への刺激を最小限に抑えるよう配慮された粘着剤を使用しています。 敏感肌の方や、テーピングによるかぶれが心配な場合に適しています。長時間の貼付や、頻繁な使用の際にも安心です。

3. 膝の痛みの症状別 テーピングの選び方と効果的な巻き方

膝の痛みは、原因となる症状によって痛む部位や痛みの性質が異なります。そのため、テーピングもそれぞれの症状に合わせた種類を選び、適切な巻き方をすることが重要です。ここでは、代表的な膝の痛みの症状ごとに、最適なテーピングの種類と効果的な巻き方について詳しく解説します。

3.1 ランナー膝 腸脛靭帯炎のテーピング

3.1.1 ランナー膝に最適なテーピングの種類

ランナー膝、正式には腸脛靭帯炎は、膝の外側に痛みが生じる症状です。主にランニングやサイクリングなど、膝の曲げ伸ばしを繰り返す運動によって、腸脛靭帯と大腿骨の摩擦が原因で炎症が起こります。

この症状には、腸脛靭帯の動きをサポートし、摩擦を軽減する目的でキネシオロジーテープが適しています。キネシオロジーテープは、筋肉の動きを妨げずにサポートするため、運動時にも自然な感覚で膝を保護できます。

症状名 最適なテーピングの種類 テーピングの主な目的
ランナー膝(腸脛靭帯炎) キネシオロジーテープ 腸脛靭帯のサポート、摩擦の軽減

3.1.2 ランナー膝のテーピング 効果的な巻き方

ランナー膝のテーピングでは、腸脛靭帯の走行に沿ってテープを貼ることがポイントです。

  1. まず、膝を軽く曲げた状態で、膝の外側から太ももの外側にかけて、腸脛靭帯の走行に沿ってテープを貼ります。テープの端は、太ももの付け根に近い部分まで届くようにしましょう。
  2. テープを貼る際は、皮膚にシワが寄らないように、テープを軽く引っ張りながら貼っていきます。これにより、筋肉の動きに合わせてテープが伸縮し、適切なサポート効果が得られます。
  3. さらに、膝の外側の最も痛む部分に、もう一枚短めのキネシオロジーテープを横向きに貼ることで、患部の安定性を高めることができます。この際も、テープは軽く引っ張りながら貼ってください。
  4. テーピング後には、膝の曲げ伸ばしを行い、違和感がないか、痛みが増強しないかを確認してください。

3.2 ジャンパー膝 膝蓋靭帯炎のテーピング

3.2.1 ジャンパー膝に最適なテーピングの種類

ジャンパー膝、正式には膝蓋靭帯炎は、膝のお皿の下に痛みが生じる症状です。ジャンプや着地、急な方向転換など、膝に強い負担がかかる動作を繰り返すスポーツ選手によく見られます。

この症状には、膝蓋靭帯への負担を軽減し、膝蓋骨の安定性を高める目的でキネシオロジーテープや伸縮性固定テープが適しています。特に、膝蓋靭帯の過度な伸張を防ぐために、膝蓋骨の下部を圧迫するようなテーピングが効果的です。

症状名 最適なテーピングの種類 テーピングの主な目的
ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎) キネシオロジーテープ、伸縮性固定テープ 膝蓋靭帯の負担軽減、膝蓋骨の安定

3.2.2 ジャンパー膝のテーピング 効果的な巻き方

ジャンパー膝のテーピングでは、膝蓋靭帯への負担を軽減する巻き方が重要です。

  1. まず、膝を軽く曲げた状態で、膝のお皿のすぐ下にある膝蓋靭帯の始まりの部分に、短めのキネシオロジーテープを横向きに貼ります。テープは、膝蓋靭帯を軽く持ち上げるように、中央部をやや引っ張りながら貼ると良いでしょう。
  2. 次に、膝蓋靭帯の走行に沿って、膝のお皿の下から脛骨粗面(すねの骨の出っ張り)に向かって、縦方向にキネシオロジーテープを貼ります。この際も、テープは軽く引っ張りながら貼ることで、靭帯のサポート効果を高めます。
  3. より強い固定や圧迫が必要な場合は、伸縮性固定テープを膝蓋骨の下に横向きに一周巻くことで、膝蓋靭帯にかかるストレスを軽減することができます。この巻き方は、膝蓋靭帯をバンドのように固定するイメージです。
  4. テーピング後は、膝の曲げ伸ばしやジャンプ動作などを行い、痛みが軽減されているか、違和感がないかを確認してください。

3.3 変形性膝関節症のテーピング

3.3.1 変形性膝関節症に最適なテーピングの種類

変形性膝関節症は、加齢や肥満、過去の怪我などにより、膝関節の軟骨がすり減り、炎症や変形が生じることで痛みが出る症状です。特に、O脚やX脚など、膝のアライメント(配列)の乱れが痛みを悪化させることもあります。

この症状には、膝関節の安定性を高め、関節への負担を軽減する目的でキネシオロジーテープや伸縮性固定テープが適しています。特に、膝の内側や外側への偏りを補正し、関節のねじれを軽減するようなテーピングが効果的です。

症状名 最適なテーピングの種類 テーピングの主な目的
変形性膝関節症 キネシオロジーテープ、伸縮性固定テープ 膝関節の安定化、関節負担の軽減、アライメントの調整

3.3.2 変形性膝関節症のテーピング 効果的な巻き方

変形性膝関節症のテーピングでは、膝関節の安定性を高め、痛む方向への負担を軽減する巻き方がポイントです。

  1. まず、膝を軽く曲げた状態で、痛む側の関節をサポートするようにテープを貼ります。例えば、膝の内側が痛む場合は、膝の内側から外側へ向かって、膝関節を包み込むようにキネシオロジーテープを貼ります。膝の外側が痛む場合はその逆です。
  2. テープは、膝の動きに合わせて伸縮するように、関節の可動域を考慮して貼ることが重要です。膝の曲げ伸ばしを妨げないように、テープの中央部をやや緩めに貼ることもあります。
  3. O脚やX脚によるアライメントの乱れがある場合は、膝のねじれを補正するような巻き方も効果的です。例えば、O脚で膝の内側が痛む場合は、膝の内側から太ももの内側、またはすねの内側に向かってテープを貼り、膝を真っ直ぐに誘導するようなイメージでサポートします。
  4. さらに、伸縮性固定テープを膝関節の周囲に巻くことで、より強力な安定感を得ることができます。この際も、血行を妨げないように、締め付けすぎないように注意してください。
  5. テーピング後は、歩行や立ち上がりなどの動作を行い、痛みが軽減されているか、膝が安定しているかを確認してください。

3.4 オスグッド病のテーピング

3.4.1 オスグッド病に最適なテーピングの種類

オスグッド病は、成長期の子供や青少年に多く見られる膝の痛みです。膝のお皿の下にある脛骨粗面(すねの骨の出っ張り)に、運動による繰り返しのストレスがかかることで炎症が起こり、痛みや腫れが生じます。

この症状には、膝蓋靭帯への牽引ストレスを軽減し、脛骨粗面への負担を和らげる目的でキネシオロジーテープや膝蓋骨バンドが適しています。特に、膝蓋骨の下部を圧迫することで、痛みの軽減が期待できます。

症状名 最適なテーピングの種類 テーピングの主な目的
オスグッド病 キネシオロジーテープ、膝蓋骨バンド(伸縮性固定テープなど) 膝蓋靭帯のストレス軽減、脛骨粗面への負担軽減

3.4.2 オスグッド病のテーピング 効果的な巻き方

オスグッド病のテーピングでは、膝蓋靭帯への負担を軽減し、脛骨粗面への刺激を和らげる巻き方が重要です。

  1. まず、膝を軽く曲げた状態で、膝のお皿のすぐ下、脛骨粗面の上部に、短めのキネシオロジーテープを横向きに貼ります。このテープは、膝蓋靭帯を軽く持ち上げるように、中央部をやや引っ張りながら貼ると効果的です。
  2. 次に、膝蓋靭帯の走行に沿って、膝のお皿の下から脛骨粗面を覆うように、縦方向にキネシオロジーテープを貼ります。この際、テープの端が脛骨粗面を圧迫しすぎないように注意してください。
  3. より直接的な圧迫を加えたい場合は、伸縮性固定テープを膝蓋骨の下に横向きに一周巻くことで、膝蓋靭帯の張力を軽減することができます。これは、市販の膝蓋骨バンドと同様の効果を狙う巻き方です。
  4. テーピング後は、膝の曲げ伸ばしや運動動作を行い、痛みが軽減されているか、違和感がないかを確認してください。

3.5 膝の皿 周囲の痛みのテーピング

3.5.1 膝の皿 周囲の痛みに最適なテーピングの種類

膝の皿(膝蓋骨)周囲の痛みは、膝蓋骨の動きの異常や、膝蓋骨を支える筋肉のアンバランス、または膝蓋骨と大腿骨の摩擦など、様々な要因で発生します。階段の昇り降りや、立ち座りの際に痛みを感じることが多いです。

この症状には、膝蓋骨の適切な位置への誘導と安定化を目的として、キネシオロジーテープが適しています。膝蓋骨の動きをサポートし、過度なストレスがかからないように調整します。

症状名 最適なテーピングの種類 テーピングの主な目的
膝の皿周囲の痛み キネシオロジーテープ 膝蓋骨の安定化、適切な位置への誘導

3.5.2 膝の皿 周囲の痛みのテーピング 効果的な巻き方

膝の皿周囲の痛みのテーピングでは、膝蓋骨の動きを安定させ、痛みを軽減する巻き方が重要です。

  1. まず、膝を軽く曲げた状態で、膝のお皿の上から下にかけて、縦方向にキネシオロジーテープを貼ります。このテープは、膝蓋骨の上下の動きをサポートする役割があります。
  2. 次に、膝のお皿の左右に、それぞれ横向きにキネシオロジーテープを貼ります。このテープは、膝蓋骨の左右のブレを抑え、中央に安定させることを目的とします。特に、痛む方向と逆側からテープを引っ張るように貼ると効果的です。
  3. 例えば、膝のお皿の外側が痛む場合は、内側から外側に向かってテープを軽く引っ張りながら貼ることで、膝蓋骨を内側に誘導し、外側への負担を軽減します。
  4. テープを貼る際は、膝蓋骨の動きを妨げないように、テープを強く引っ張りすぎないことが重要です。また、膝の曲げ伸ばしを行いながら、テープの位置や張り具合を微調整してください。
  5. テーピング後には、階段の昇り降りや立ち座りなど、普段痛みを感じる動作を行い、痛みが軽減されているか、違和感がないかを確認してください。

3.6 その他の膝の痛みに合わせたテーピングの巻き方

上記で挙げた症状以外にも、膝の痛みには様々な原因があります。例えば、軽度の捻挫や打撲、筋肉の張りによる痛みなどです。このような場合でも、テーピングは痛みの軽減や症状の悪化防止に役立ちます。

一般的な膝の痛みに対しては、キネシオロジーテープで筋肉のサポートや血行促進を促す巻き方が効果的です。痛む部位の周囲の筋肉(太ももの前や裏、ふくらはぎなど)に沿ってテープを貼ることで、関節への負担を間接的に軽減できます。

また、一時的な固定が必要な場合は、伸縮性固定テープで膝関節全体を軽く圧迫し、安定性を高める巻き方も有効です。ただし、長時間の固定は筋肉の衰えにつながる可能性があるため、必要に応じて専門家のアドバイスを受けるようにしてください。

テーピングはあくまでサポートであり、痛みが続く場合や悪化する場合は、無理をせず専門家にご相談ください。

4. テーピングを巻く前に知っておきたい注意点とポイント

テーピングは膝の痛みをサポートする有効な手段ですが、正しい知識と注意点を踏まえることが非常に重要です。誤った使用はかえって症状を悪化させたり、新たな問題を引き起こしたりする可能性があります。ここでは、安全にテーピングを活用するために知っておくべきポイントを詳しく解説します。

4.1 テーピングを行う上での禁忌事項

膝に痛みがあるからといって、どんな状況でもテーピングを巻けば良いというわけではありません。以下のような状態にある場合は、テーピングの使用を避けるべきです。無理に巻くことで、症状が悪化したり、皮膚トラブルを引き起こしたりする恐れがありますので、必ず確認してください。

状態 詳細と注意点
開放創や皮膚疾患がある場合 切り傷、擦り傷、水ぶくれ、湿疹、かぶれ、アトピー性皮膚炎など、皮膚に異常がある箇所には直接テーピングを貼らないでください。感染症のリスクや皮膚トラブルの悪化につながります。
内出血や腫れ、熱感が強い場合 急性の炎症が強く、内出血や著しい腫れ、熱感を伴う場合は、まずアイシングなどで炎症を抑えることが優先されます。テーピングによる圧迫が症状を悪化させる可能性があります。
神経障害や血行障害がある場合 感覚が鈍い、しびれがある、冷感があるなど、神経や血行に問題がある場合は、テーピングによる圧迫がさらに症状を悪化させる恐れがあります。専門家にご相談ください。
アレルギー体質の場合 過去に絆創膏やテープでかぶれた経験がある場合は、テーピング素材によるアレルギー反応を起こす可能性があります。目立たない場所でパッチテストを行うか、低刺激性のテープを選ぶようにしてください。
骨折や脱臼の疑いがある場合 強い痛みや変形があり、骨折や脱臼の可能性が考えられる場合は、自己判断でテーピングを巻かずに、速やかに専門家の診察を受けてください。
痛みの原因が不明な場合 なぜ膝が痛むのか、原因がはっきりしない場合は、テーピングを巻く前に専門家のアドバイスを求めることが大切です。誤った対処は、根本的な解決を遅らせる原因となります。

上記のいずれかに該当する場合や、テーピングを巻くことに不安がある場合は、自己判断せずに専門家に相談することをおすすめします

4.2 テーピングの効果を高めるためのポイント

テーピングの効果を最大限に引き出し、安全に使用するためには、いくつかの重要なポイントがあります。正しい準備と巻き方、そして使用後のケアを心がけましょう

4.2.1 テーピング前の準備

テーピングを貼る前には、以下の準備を行うことで、テープの粘着力を高め、皮膚トラブルを防ぐことができます。

皮膚を清潔にする: 汗や皮脂、汚れがあるとテープが剥がれやすくなったり、かぶれの原因になったりします。石鹸で洗い、しっかりと乾燥させてください。

毛の処理をする: テーピングを貼る部位に毛が多い場合は、事前に剃るか短くカットしておくことをおすすめします。毛がテープに絡むと、剥がす際に痛みが生じたり、皮膚を傷つけたりする可能性があります。

パッチテストを行う: 初めて使用するテープや敏感肌の方は、目立たない場所(腕の内側など)に小さくテープを貼り、数時間様子を見て皮膚に異常がないか確認してください。

4.2.2 テーピングの正しい巻き方と注意点

症状や目的に応じて巻き方は異なりますが、共通して意識すべき点があります。

適切なテンションで巻く: キネシオロジーテープは伸ばしすぎず、ホワイトテープはしっかり固定するよう、それぞれのテープの特性に合わせてテンションを調整してください。きつすぎると血行不良や神経圧迫の原因になり、緩すぎると効果が得られません。

関節を動かした状態で巻く: 膝を曲げた状態で巻くのか、伸ばした状態で巻くのかなど、目的とする動作や関節の可動域を考慮して巻くことで、より効果的なサポートが得られます。

しわやたるみができないように貼る: 皮膚にしわやたるみがあると、その部分に負担がかかり、かぶれや水ぶくれの原因になります。テープを貼る際は、皮膚を軽く伸ばすようにして、しわが寄らないように注意してください。

テープの端をしっかり押さえる: テープの端が浮いていると、そこから剥がれやすくなります。テープを貼り終えたら、手のひらでテープ全体を軽く押さえ、体温で粘着力を高めてください。

4.2.3 テーピング後のケアと交換時期

テーピングを巻いた後も、適切なケアを行うことが大切です。

皮膚の状態をこまめに確認する: テーピングを巻いている間は、かゆみ、赤み、腫れ、痛み、しびれなど、皮膚や体調に異常がないか定期的に確認してください。異変を感じたらすぐに剥がしてください。

適切な交換時期を守る: テープの種類や活動量にもよりますが、一般的にキネシオロジーテープは2〜3日、ホワイトテープは1日程度での交換が目安です。粘着力が落ちたり、剥がれてきたりしたら交換しましょう。

優しく剥がす: 剥がす際は、皮膚を傷つけないよう、毛の流れに沿ってゆっくりと剥がしてください。お風呂で剥がすと、皮膚への負担を軽減できます。剥がしにくい場合は、ベビーオイルなどを塗布すると良いでしょう。

4.3 テーピングと併用したい膝の痛み対策

テーピングは膝の痛みをサポートする有効な手段ですが、それだけで痛みが完全に解決するわけではありません。テーピングはあくまで補助的な役割であり、根本的な改善を目指すためには、他の対策と組み合わせることが重要です。

4.3.1 適切な休息とアイシング・温熱療法

痛みが強い時期は、まず患部に適切な休息を与えることが大切です。無理な運動は避け、炎症を悪化させないようにしましょう。急性期の痛みにはアイシングが有効ですが、慢性的な痛みや血行改善には温熱療法が効果的な場合があります。ご自身の痛みの状態に合わせて使い分けたり、専門家に相談したりしてください。

4.3.2 ストレッチと筋力トレーニング

膝の痛みの多くは、膝周辺の筋肉の柔軟性不足や筋力低下が関係していることがあります。太ももの前後の筋肉(大腿四頭筋、ハムストリングス)や、お尻の筋肉、ふくらはぎの筋肉などを適切にストレッチし、強化することで、膝への負担を軽減し、痛みの再発予防につながります。ただし、痛みが強い時期に無理な運動は避け、専門家のアドバイスのもと、痛みのない範囲で徐々に取り組むことが重要です。

4.3.3 姿勢や動作の見直し

日常生活での姿勢や歩き方、運動時のフォームが膝に負担をかけていることがあります。例えば、猫背やO脚、X脚、足のつき方などが膝の痛みに影響を与えることがあります。鏡でご自身の姿勢をチェックしたり、専門家に相談したりして、膝に負担の少ない姿勢や動作を意識するよう心がけましょう。

4.3.4 専門家への相談

自己判断でのテーピングやケアには限界があります。痛みが改善しない場合や、悪化する場合、原因がはっきりしない場合は、必ず専門家に相談してください。適切な診断とアドバイスを受けることで、より効果的な治療やケアにつながります。

5. まとめ

膝の痛みは、日々の生活の質に大きく関わるものです。本記事では、膝の痛みに合わせたテーピングの種類と、症状に応じた効果的な巻き方について詳しく解説しました。キネシオロジーテープ、ホワイトテープ、伸縮性固定テープなど、それぞれの特性を理解し、ご自身の症状や目的に合わせて適切に選ぶことが、痛みの軽減や快適な生活への第一歩となります。

ランナー膝やジャンパー膝、変形性膝関節症など、具体的な症状に応じた正しい巻き方を実践することで、膝への負担を軽減し、サポート効果が期待できます。しかし、テーピングはあくまで補助的な手段であり、正しい知識と注意点を守ることが重要です。無理な使用は避け、ご自身の状態に不安がある場合は、専門家にご相談ください。何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。

にしむら整体院